カーシェアの利用料の限界に挑戦する
みなさんは食べ放題とか飲み放題で「元を取る」努力に、情熱を感じますか?
僕はあまり情熱を感じなくて、だいたい楽しく食べて飲めればそれで良いと思っています。
しかし、人間の感情スイッチはどこにあるものかわかりません。
僕はある使い放題サービスで「元を取る」ことに情熱を感じてしまったのです。
カーシェアという便利サービス
最近、シェアリングエコノミーの文脈でカーシェアがよく取り上げられます。町中の駐車場にレンタル可能な自動車が停車しており、スマホで予約して時間借りできるサービスです。公共交通機関のオバケである東京首都圏とはいえ、自動車が便利なシーンは存在しており「自動車を買うほどではないが必要」という需要にバッチリ合わせてきています。
最近、僕もかなりの頻度でカーシェアを使っています。マンション隣の駐車場がステーションになっててマジで便利なんですよ。
さて、このカーシェアを手軽に感じさせる魔法が、明朗な会計システムです。
サービスによって多少の違いはありますが、だいたい「時間会計」と「距離会計」が組み合わさった仕組みになっています。時間会計はだいたい10分で150円ほど(パック割引あり)、距離会計は1kmあたり16円ほどが相場です。それ以外の出費は必要なく、日頃のメンテナンスで必要なガソリン代や洗車代なんかはサービス側の負担になります。(専用クレジットカードが自動車に据え付けられている)
そういうわけで突然の出費の心配なく、安心して利用することができるわけです。素敵。
例えば、カレコのカーシェアの場合は、以下のような料金体系です。 www.careco.jp
カーシェアで「元を取る」
さて、カーシェアの料金システムにはまだまだミソがあります。それは「一定時間以下であれば距離料金がかからない」という特例です。短時間ちょい乗り利用を想定して、さらに明朗会計を推し進めてくれているわけです。素敵。カレコの場合は6時間パック3800円を支払えば、この時間は距離無制限で取り通すことができます。
しかしこれは「ガソリン飲み放題」と取ることもできます。ガソリン代がかからないので、距離をシッカリ走って燃料をたくさん燃やせば・・・元が取れるはずです。 120分アルコール飲み放題なんかにかまけている場合ではありません。 360分ガソリン飲み放題です。こんなに剛気なことがあるでしょうか。
カレコやタイムズなどのいわゆるカーシェアサービスは、6時間までは距離による料金がかからない。つまり何キロ走っても定額(カレコの場合3800円)である。
— うみさま (@umisama) 2018年12月25日
そうなってくると当然、6時間中に燃料原価のみで3800円を超える走行をしてみたくなる。なるよね?
「元を取る」ための考察
食べ放題、飲み放題で元を取るときもそうだと思いますが、事前の設計が重要になります。僕だって大人ですから、遊びであっても負ける勝負はしてはいけません。絶対に勝てる立て付けを検討します。検討経緯は以下にございます。
よく乗っているMAZDA AXELAは高速燃費で16km/lくらいである。東京都のガソリン平均価格は138円程度であるらしいので、440kmほどを走れば達成できそうだ。6時間で440km走るためには相当工夫しないとダメそうだが、平均車速73km/hを維持すれば良いので休憩しなければ不可能ではなさそう。
— うみさま (@umisama) 2018年12月25日
ここで気づいたけど、より燃費の悪い車をチョイスすることで条件を緩和できる。例えばCX-5は高速燃費が12km/lくらいなので、330kmが目安距離となる。平均車速は55km/hとなり、達成はぐっと身近になる。
— うみさま (@umisama) 2018年12月25日
また、twitterには書きませんでしたが気温によっても燃費は大きく変わるようです。下記のエントリの調査によると、気温が下がることによって燃費が20%ほど低下すると。
まさに今の季節は、ガソリン飲み放題のためうってつけです。
割引プランにも目を配りましょう。深夜パック料金を使えば、360分2500円でガソリン飲み放題にすることができます。
だいたい四割引、ホットペッパーのクーポンで飲み放題が割引、という気分ですね。
よく考えるとより尖ったことが可能だった。夜間料金という仕組みがあり、カレコなら6時間2500円、タイムズなら6時間2060円で乗ることができる。もはや計算するまでもなく、このレンジなら達成可能であろうと思える。(カレコ/CX-5なら216キロ走るだけで達成可能)
— うみさま (@umisama) 2018年12月25日
実行前夜
完璧な調査を終えたので、あとは実行に移すのみです。
流石に6時間で450キロを走り切るプランは僕の運転能力と疲労を考えると危険を伴うように思ったので、すこし優しめのプランで行くことにしました。渋滞予想や制限速度とにらめっこし、さらに標高が高い(=気温が低い)道路を探し出し、下記のようなルートを立案。ホントは新東名110km/h制限区間を走ってみたかったんだけど・・・
本日21時にカーシェアを手配しました。翌朝3時までの6時間、料金プランの限界まで走りたいと思います。
— うみさま (@umisama) 2018年12月29日
計画では五反田-[首都高/常磐道]->友部JCT-[北関東道]->高崎JCT-[関越道]->大泉JCT-[首都高]->五反田、とやるつもりです。絶対に定額以上にガスを燃やすぞ。
ここで僕の友人のぱぷあから「ドライブに行くの?」とリプライが飛んできて、
ふつうにドライブ。距離を走る感じ。
— うみさま (@umisama) 2018年12月29日
みたいな感じで返したのですが、ぱぷあからこのあと電話がかかってきて「年末だし飲みに行くぞ、ドライブをしている場合ではない」と。
いやいやいや、このチャレンジが如何に崇高で替えがたきものか、この年末の時間があるときにしかチャレンジ出来ないのだと訴えたところ、
「じゃあうみさまの車に乗りながら酒盛りをしよう、人が乗ってて重量がある方が燃費が悪い」
なるほど。確かに。その発想はなかった。
そういうわけで3名と大量の酒・つまみが荷物として追加され、車重が増加しました。
21時発の予定でしたが、18時発に繰り上げることにしました。「人がたくさん乗っていた方が燃費が悪い」という新しい観点を持ち込んだ友人たちが乗り込むことになり、よりいっそうガスを燃やすことになりました。
— うみさま (@umisama) 2018年12月29日
実行
あとは淡々と実行するのみです。
こういうのは大体、計画するのが楽しくて、実行するのはあんまり楽しくないのが常です。
2号目黒線とC1を経由して銀座へ向かい、友人を拾います。酒が運び込まれ、僕はモンスターで乾杯(当然ですが、僕はノンアルコール)しながら背後では酒盛りがスタートしました。
土橋からKK線、C2と経由して順調に常磐道へ入ります。2時間ほど走った頃に酒が尽きたため補給のため壬生PAに入りますが、高速道路では酒が買えないという致命的現実に直面します。沸き立つ車内。
そういうわけでアルコールとガソリン補給のため、栃木インターで降りてコンビニとガソリンスタンドへ。
この時点で燃費は12.8km/l、普段16km/lくらい出る車なのですが、重量と気温のおかげか、かなり下がっています。これはイケる。
しかもこのスタンド、リッター145円だったんです。都内よりも数円ほど高め。チャレンジの終点がまた近くなりました。 そういうわけで高崎JCTから関越道で上るプランを中止し、このまま東北道で都内まで出るようにルートを切り替えて、最終的にC2とかを回って距離を調整することにしました。(だいぶ疲れてた)
友人を乗せて行ったのは正解で、運転中楽しかったですね。これ一人で淡々とやってたらまじで苦行だったと思います。一人を家まで送り届けて上のような状態。すでに2500円は達成していますが、念の為通常料金の3800円も突破しようと言うわけでC2などを使って距離調整に入ります。
そういうわけで11時過ぎ頃に家に到着して走行351.7km、燃費12.7km/lまで持ってきました。結果、
ガソリン代: 351.7[km] / 12.7[km/l] * 145[l/円] = 4015[円]
というわけで、チャレンジ成功です。
まとめ
「カーシェアの6時間ガソリン飲み放題は元が取れる」でFAとなりました。
とはいえ、普通に6時間使ったところで元は取れない(結構頑張る必要がある)ので、ちょうどよい料金設定なのかもしれません。
普段は6時間借りても50kmとかしか走りませんが、たまにこうやってドライブさせてもらうのも良いですね。 まあ、6時間で350kmも無意味にドライブすることは、もうこの人生ではないかもしれませんが!
大変だったけど楽しい時間を過ごさせてもらいました。ありがとうございました。